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固定長期適合率(こていちょうきてきごうりつ)

固定長期適合率の定義

固定長期適合率(fixed assets to long term debt ratio)とは、財務分析における安全性分析の指標のひとつで、固定資産を固定負債と純資産(自己資本)の合計で除算した(割った)比率のことを言います。固定長期適合率の計算式は、次の通りです。
<計算式1>
固定長期適合率 = 固定資産÷{固定負債+純資産(自己資本)}

固定長期適合率の解釈

長期間資金が固定化する固定資産に対する投資は、減価償却により長期間に亘って回収されるため、返済義務の無い純資産(自己資本)又は返済期限が長期の固定負債(長期借入金・社債など)により調達されることが望まれます。固定長期適合率が低いほど財務安全性が高いことを示します。
固定長期適合率が100%を超える場合、固定資産の維持に係る資金を短期性の資金調達で賄っている状況を示すので、資金繰りが相当厳しいと判断されます。したがって、固定長期適合率は、
100%以下が妥当と考えらます。固定長期適合率が100%以下であれば、固定資産の維持に係る資金を長期性の資金調達で賄えていることを示します。
固定長期適合率を低くして財務安全性を高めるためには、固定資産の金額を小さくするか、又は固定負債と純資産(自己資本)の合計金額を大きくする必要があります。しかし、純資産(自己資本)ではなく、返済期限が長期であっても返済義務のある固定負債により資金調達をして固定資産に投資する場合には、長期借入金や社債などの固定負債の返済について十分に余裕を持った計画を立てることが必要です。
また、固定資産が利益の源泉となっている場合、固定長期適合率を改善するために固定資産の金額を小さくした結果、利益自体が減少してしまうと、逆に財務安全性を損ねる可能性がある点に留意する必要があります。固定資産に対する過剰な投資は、財務安全性を損ないますが、必要な固定資産に対する投資は利益確保のために実行する必要があります。
なお、固定長期適合率の計算式について、上記<計算式1>と分母・分子を逆にした計算式を記載している書籍もあります。計算式は次の通りとなります。
<計算式2>
固定長期適合率 = {固定負債+純資産(自己資本)}÷固定資産
この計算式の場合、固定長期適合率は高いほど財務安全性が高いことになり、100%以上が妥当となります。

固定長期適合率と固定比率の関係

類似の財務分析指標に固定比率があります。固定比率の計算式は次の通りです。
固定比率=固定資産÷純資産(自己資本)
固定比率も100%以下が妥当とされていますが、固定資産に対する投資を純資産(自己資本)だけで賄うことは、固定負債と純資産(自己資本)の両方で賄うことよりも条件が厳しいことから、固定比率100%以下は、固定長期適合率100%以下よりも厳しい条件と言えます。

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