簿記3級の難易度
簿記3級の難易度はどれくらい?合格率や合格点を確認しよう!
簿記3級と聞いてどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。簿記の資格は経理の仕事を担う人であれば、ぜひとも取っておきたい資格です。一見、難しそうな印象があるかもしれませんが、基本をしっかりと勉強さえすれば、簿記3級の合格は誰でも十分に可能な難易度です。本記事では簿記3級の合格率や合格点について解説を行っていきます。
1. 簿記3級の合格率は?
簿記3級の合格率は約40%~50%です。10人中、約6人弱が落ちてしまうと考えると、難易度はそれなりに高そうな印象を受けるでしょう。しかし、実際はそうでもありません。簿記はメジャーな試験だけあって受ける人は様々です。ほとんど勉強をせずに受験する人や、職場から強制的に受けさせられているような人も、一定数存在するのです。そのような人たちが合格率を下げている側面が現実としてあります。つまり、普通に勉強している人に限っていうと、合格率はもっと高いということです。
簿記3級は試験が行われた回によって、合格率がバラバラになっているのも特徴です。平均すれば合格率は約40%~50%と紹介しましたが、合格率が5割を超える難易度が低い問題が出題される回もあれば、2割ぐらいまで減少する難易度が高い問題が出題される回もあります。出題される問題の難易度により合格率に波のある試験ですので、自分が受験した回がたまたま難しかったという、当たりはずれはよくあることです。仮に落ちてしまったとしても、再度チャレンジすれば、合格の可能性は十分に期待できるでしょう。試験は年3回実施されますので、チャンスは多いです。合格率だけを気にするのではなく、何度も挑戦できるので、合格しやすい試験といえます。
2. 簿記3級の合格点は何点?
簿記3級に合格するには100点満点中、70点をとればクリアとなります。定員があるわけではないので、試験当日の受験者数や、受験者のレベルによって合格が左右されるタイプの試験ではありません。自分の実力が合格水準に達してさえいれば、どのような状況でも必ず合格する試験となっているのです。確かに、7割という数字を提示されると難易度が高く感じる人もいるかもしれません。しかし、簿記3級のテスト内容は初歩的な問題がメインとなります。適切な教材でしっかり勉強していれば、解けない難易度の高い問題は少ないのです。
計算問題は人によってスピードに差がでる傾向がありますが、簿記の試験には電卓の持ち込みが許可されています。計算が苦手であっても、電卓の扱いに長けていれば、そこまで大きな差は生まれにくいはずです。さらにいうと、簿記は計算が合わないときは気が付きやすい仕組みになっています。試験中に計算間違いがあれば、それが分かることがほとんどです。自分の間違いに気が付けば、そこを修正することで失点を防げます。70点以上を取ることは、想像しているよりは簡単であると心得ましょう。
3. 簿記3級に合格するための勉強法
Ⅰ. 質の良いテキストを選ぼう
簿記3級は受験生がとてもたくさんいるので、教材もその分大量に出版されています。資格試験として成熟しており、出題される問題の傾向や難易度もある程度予測しやすいので、試験対策の教材は優良なものが多いです。テキストを選ぶ際には説明が簡潔で分かりやすいかどうか、図表がたくさん載っているかどうかなどをチェックポイントとしましょう。簿記の基本的な考え方を中心に、用語と仕組みをしっかりと押さえることが大切です。売上げや口コミを参考にするのも悪くはありません。
Ⅱ. 同じ問題を複数回繰り返すのがコツ
勉強に使用するテキストが決まったら、その内容をしっかりと読み込み、問題を解いていきましょう。問題は一度解いて満足するのではなく、最低3回は繰り返すことが大事です。問題を繰り返し解き続けることで、簿記の試験に慣れることができるでしょう。一度解けたからといって安心していると、もう一度試した際に解けなくなっているケースがあります。同じ問題を何度も解き続ける地道なアプローチが合格率を高めることにつながるのです。
勉強のやり始めの段階では、過去問は難易度が高くてほとんど解けないかもしれません。テキストや問題集を一通り勉強し終えたら、最初は答えを見ながらでも大丈夫ですので、過去問や過去問レベルの難易度の予想問題集をとにかくたくさん解くことを目指しましょう。習うより慣れろの精神が大事です。演習問題を解くにあたって、「仕訳」が特に重要なポイントとなります。簿記試験は仕訳に始まり、仕訳に終わるといっても過言ではありません。仕訳問題だけは、完璧のレベルになるまで繰り返すことを心がけましょう。日商簿記3級で1問目から登場する仕訳問題は全体の2割の配点を占めます。難易度はほとんどサービスに近いレベルですので、ここはきっちりと押さえたいところです。
Ⅲ. 勉強時間は最低60時間を確保
簿記3級に合格するための勉強時間の目安は、だいたい60時間から100時間と言われています。少なくとも60時間以上は勉強する時間を確保しましょう。単純計算でいくと、10日間、1日6時間勉強することで簿記3級に合格することができることになります。ただし、学校に通いながらの場合や、会社で働きながら勉強するとなると1日6時間の勉強時間確保は現実的ではありません。実際は1日1~2時間程度の勉強を2ヶ月から3ヶ月行うパターンが一般的でしょう。
毎日、1~2時間の勉強時間を確保するのは意外と難しいものです。日々の移動や休憩時間など、隙間時間を上手く活用する工夫が必要になるでしょう。毎日勉強するのが困難な場合は、休日にまとめて勉強するのも致し方ないです。なんとか60時間程度の勉強時間はトータルで確保するようにしましょう。
4. 簿記3級を受験するときのポイント
Ⅰ. 試験に合格するための電卓
簿記3級を受験する際には電卓の種類にこだわるようにしましょう。小さいサイズでボタンを押しにくいようなタイプの電卓は試験に適しているとは言えません。また、片手で数字を打ち込んだ際に、電卓の位置があまり動かないようなものを選ぶようにしましょう。12桁まで数字を表示でき、「00」のキーがある電卓を選ぶのがポイントです。例えば、10000と打つ際に、「0」キーだけであれば5回も押す必要があります。「00」キーがあれば3回で済むので、その分、問題を解く時間を節約できるはずです。手早くキーを打ち込んだ際に、素早い反応をしてくれる早打ち機能がついた電卓が役立つでしょう。早打ち機能がついた電卓はキーロールオーバーと呼ばれています。
Ⅱ. とにかく解けそうな問題からチャレンジしていく
試験本番で難易度が高くて分からない問題が出てきたときは、とりあえず飛ばして、解けそうな難易度の低い問題から先に解いていくようにしましょう。日商簿記3級は70点を取れば合格できる試験です。自分が分かる問題だけであっても、とにかく70点を超えれば良いので苦手分野や難易度が高い問題は後回しにするのも一つの手です。目指すべきは100点ではありません。自分が得点できる問題から確実につぶしていくようにしましょう。
5. 簿記3級の難易度を少しでも下げるには?
簿記3級に合格したいのであれば、きっちりと勉強をすることがなによりも大事です。地道な努力さえ継続できれば、合格するのは決して難しくはないでしょう。しかし、自分だけの独学ではモチベーションが上がらなかったり、途中で嫌になったりするケースが多く見られます。そんな時は大手資格試験予備校の簿記講座を受けてみるのも良いアイディアでしょう。簿記講座はカリキュラムが確立されているので、それに沿って勉強すれば、スムーズに学習を進めることができます。自分だけで頑張るよりも、簿記3級の難易度を下げることができるはずです。確実に簿記3級の資格取得をしたいのであれば、簿記講座の受講を前向きに検討してみましょう。