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簿記は簡単?

簿記3級を目指す初心者向け!簡単に分かる簿記の基礎講座

事務系の求人情報では、必要資格の項目に簿記と明記されていることがあります。ただ、経理や会計になじみのない人は、簿記という言葉自体に難しいイメージを持っているのではないでしょうか。実際、損益計算書や貸借対照表など、簿記にはいかにも難解そうなキーワードも多く出てきます。そこで今回は、簿記の初心者に向けて、誰でも簡単に理解できる簿記の基礎知識や活かせる就職先、そして勉強法をなるべく分かりやすく解説します。

1. 簿記とは?

お店で商品を買ったら、いつ、いくらでその商品を購入したのか、自分で簡単な家計簿をつけているという人も多いのではないでしょうか。一般企業でも、普通の家庭と同じように、会社がどのような商品をいくらで仕入れたのかといった情報を常に記録しています。簿記とは、そうした会社の財務状態や経営成績に関する記録、または記録するための技能のことです。
帳簿をつけることによって、会社はどのくらい資産があるのか、また利益がいくらあったのかといったことを把握できるようになります。簿記では、帳簿と呼ばれるノートに毎日記録をつけていき、年に一回、帳簿につけた情報を参考に財務諸表という書類を作成します。財務諸表とは、具体的には貸借対照表と損益計算書という書類のことです。
貸借対照表とは、会社がそのとき保有している財産の状況が分かる表です。一方、損益計算書には、1年間でどのくらいのお金を使って、いくらの利益があったのかという情報が記載されています。この財務諸表から、会社の経営状況を知ることができ、その情報をもとに今後の経営方針などが決定されることになります。このように、簿記は会社の経営状況を知るうえで、欠かすことのできない技能です。そのため、企業規模や業態を問わず、あらゆる会社で使われています。

2. 簿記を学ぶメリットとは?

簿記という資格は、いろいろな場面で利用できるつぶしが効く資格です。一般企業では、経営状況を知るためや、税務署へ申告するために、自らの取引記録を常に記録しておかなくてはいけません。そのため、簿記の資格を有している人を常に抱えておく必要があります。事務系の求人情報で簿記資格を持っている人の募集が多いのも、簿記が会社の経営に必要不可欠な技術であるからです。つまり、簿記を学んでおけば、経理や会計職への就職、転職がしやすくなるというメリットがあるのです。
また、税務署への申告が必要なのは、何も企業や法人だけではありません。自分で経営している個人事業主やフリーランスの人も、収支を正確に計算して、期限までにしっかり確定申告することが求められます。もちろん、自分でやるのが難しければ、税理士に依頼するというのもひとつの手です。ただ、簿記をマスターしてしまえば、自分でも簡単に確定申告できるようになり、税理士への依頼料などを削減できたり、申告漏れを未然に防いだりすることができます。
会社の経理というのは、社会人として活動するうえで、勉強しておいて決して損はない分野です。そういう意味で、簿記を学ぶことは、経済人や社会人としての見識を広げることにも役立ってくれます。

3. 簿記のスキルが求められる仕事とは?

ある特定の職業に就くためには、簿記の資格を有していることや、会社での実務経験が必須条件になることもあります。以下、どのような職業が簿記の資格や実務経験を要するのか、いくつか紹介していきます。

Ⅰ. 会社の経理部門

会社の経理部門で正社員として働く場合、最低でも簿記2級以上の資格を有していることが望ましいとされています。経理部門では、会社の売上管理や費用の清算など、その企業におけるお金の流れを把握する作業が中心となります。そのためには、経理や会計に関する一般的な知識が必須です。ただ、簿記3級の場合、通常は正社員ではなく、経理補助の派遣求人が多い傾向にあります。その一方、簿記は実務色の強い技術でもあるため、資格の有無より実務経験が重視されやすいことも事実です。

Ⅱ. 税理士・公認会計士

税理士や公認会計士は、いわば会計のプロともいうべき職業です。公認会計士は、主に大企業の監査業務を、税理士は個人事業主や中小企業を中心に税務業務を行います。いずれも国家資格が必須であり、税理士や公認会計士になるにはかなりの狭き門をくぐらなければなりません。それだけに、簿記に関する知識もハイレベルなものが求められます。税理士試験や公認会計士試験には、日商簿記1級をはるかに超えるほどの知識とスキルが要求されます。もちろん、いきなり1級を受けても合格は難しいので、まずは簡単な簿記3級から学び始めて、徐々にステップアップしていくのが最善の手順です。

Ⅲ. 税理士事務所・公認会計士事務所の事務員

税理士事務所や公認会計士事務所では、事務員にも簿記のスキルが必要とされます。もちろん、税理士や公認会計士ほどではありませんが、事務員も顧客の仕訳作業などを行うことがあるため、簿記2級以上は最低でも求められる水準です。税理士や公認会計士の事務所には、将来国家資格の取得を目指して事務員として働いているという人も多いです。士業の先生に付いて働いていれば、実務経験を積むこともできるため、将来どのような身の振り方をするにせよ、事務員として学んだ技術や経験は大いに活かすことができるでしょう。

Ⅳ. 個人事業主・企業経営者

小規模事業者の経営者や個人事業主、さらにフリーランスの人も、自分で簡単な帳簿をつけて経営の参考にしているという人がいます。もちろん、基礎的な簿記の知識があれば、確定申告程度なら自分でも手続きできるでしょう。また、税理士に顧問になってもらっているという経営者や個人事業主も少なくありません。ただ、自社の経営状況や提出書類の内容を理解するには、簡単な簿記の知識は持っておいたほうが良いといわれます。たとえ日商簿記の検定を受ける予定がなくても、知識のレベルとして簿記3級程度の水準はあったほうが望ましいでしょう。

4. 簿記検定の種類と特徴

簿記検定には複数の種類があり、それぞれ特徴が異なります。まず、最もポピュラーなのが日商簿記検定です。日商簿記検定は認知度も高いだけでなく、信用度も高い社会人向けの簿記検定です。受験資格はなく、誰でも受験することができます。階級は1級、2級、3級、そして初級の4種類です。ただ、合格率は他の簿記検定に比べて難しい傾向にあります。
一方、同じ社会人向けの簿記検定として、全経簿記という検定もよく知られています。全経簿記検定も、日商簿記と同じく受験資格はありません。合格率は日商簿記よりやや高いものの、これは試験内容が簡単というわけではなく、配点方法などの違いがあるためです。階級は、上級、1級、2級、3級の4種類です。全経簿記の上級が、日商簿記の1級に当たります。
また、社会人向けではなく、高校生向けの全商簿記検定という検定もあります。主に高校生向けの試験ですから、他の簿記検定に比べると簡単です。受験資格は高校生に限定されているわけではなく、誰でも受験可能です。1級、2級、3級の3種類の試験があり、いずれの試験も合格率は高めです。ただ、簡単だけに、そこまで信用度は高くないとされています。簿記検定を就職や国家試験のために受験するなら、やはり最も知名度が高く、かつ信用度も高い日商簿記が最適です。実際、日商簿記は、多くの企業の推奨や大学の単位認定にも採用されています。

5. 日商簿記の勉強方法と学習期間

日商簿記検定を受験する場合、勉強方法や学習期間は3級、2級、1級のどれを目指すかによって大きく変わってきます。一般的に、日商簿記の入門編ともいうべき3級なら、60時間~80時間ほど学習してから受験に臨むのが一般的です。ただ、同じ60時間~80時間でも、勉強方法が異なれば能率も違ってきます。効率良く試験に臨むなら、自分に合った勉強法を選ぶことが大切です。

Ⅰ. 独学で勉強をする

独学は、最もお金のかからない勉強法です。簿記試験のための講座に通うとなれば、高額な費用を支払わなくてはいけません。一方、独学なら、費用は書店で購入する参考書や問題集程度です。学習計画を自分で練り、高いモチベーションを保ちながら勉強を続けられる人なら、独学でも十分に簿記検定の準備をすることができるでしょう。
ただ、独学で勉強するには、自分を厳しく律しなければなりません。モチベーションを維持することは難しいため、相当な意欲を持って臨まなければ途中で怠けてしまうこともあります。また、検定に出題される範囲は定期的に変更になる場合があります。そのため、自分で定期的に情報収集することも必要です。古い参考書で勉強し続けられるわけではありませんから、新しい参考書や問題集を購入しなければならないでしょう。

Ⅱ. 簿記のスクールに通って勉強をする

簿記のスクールに通って勉強するのは、最も確実な勉強方法のひとつと言えます。スクールで講座を受講すれば、講師から直接指導を受けることが可能です。分からない点があってもその場で解決することができ、学習スケジュールも決められた通りに進められるので、時間を無駄にすることなく効率的に勉強することができます。同じ目標を持つ仲間と一緒に学べる点も、モチベーションアップにつながるので良い点です。
しかし、講座に通うという勉強法は、独学に比べて高い費用を支払わなければいけない点はデメリットと言えます。また、通わなければ講座を受けられないので、場所に縛られてしまう場合があることも事実です。スクールに通う勉強法は、通学に支障が出ない範囲で、時間的に余裕のある人に向いている勉強法だといえます。

Ⅲ. 通信講座を使って勉強をする

通信講座は、自分の好きな時間に講義を受けられる勉強法です。スクールに通うのと異なり、時間や場所に縛られずに勉強できるのが通信講座の良いところだと言えます。PCだけでなく、スマホやタブレットでも視聴可能な通信講座も多く、自宅だけでなく外出先でも勉強が可能です。不明点を講師に質問できるといったサービスもあります。学習相談にも乗ってくれるので、孤独を感じずに勉強できる点もメリットです。
もちろん、独学に比べると講座の費用が必要だったり、複数の講座から最適なものを選ばなければいけなかったりもします。また、基本的に自分でスケジュールを立てて講座を受けるので、モチベーションを維持するのは簡単ではありません。そのため、自分で講座を選ぶ目利きができる人や、自己管理が得意な人向けの勉強法だといえます。

6. 簿記の勉強は早めのスタートがおすすめ

簿記の資格を取得しておけば、転職で有利になるのはもちろん、社会人としての見識を大きく広げることにもつながります。正社員求人で多い簿記2級の取得を目指すなら、3級から2級合格まで半年近くかかるため、早めに勉強を始めたいところです。そのためには、独学で勉強するより、やはり講座を受講したほうが能率的に勉強できます。確実に合格するためにも、自分に合った勉強法でしっかり知識を身に付けましょう。

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