貸借平均の原則(たいしゃくへいきんのげんそく)
複式簿記の記帳では、1つの取引を勘定に記入する際、取引の二重性により、仕訳帳から、ある勘定の借方に転記された金額と他の勘定の貸方に転記された金額は必ず一致します。これを貸借平均の原則(又は貸借平均の原理)と言います。
借方と貸方の勘定科目が各1つの単純取引だけでなく、借方と貸方の勘定科目がそれぞれ複数の複合取引であっても、借方諸要素を勘定に転記した金額の合計と貸方諸要素を勘定に転記した金額の合計は、貸借平均の原則により、必ず一致します。
したがって、全ての勘定の借方に記入した金額の合計と全ての勘定の貸方に記入した金額の合計は、記録や計算の過程で誤りが無い限り、貸借平均の原則により、必ず一致します。
また、月末や決算日に作成される試算表上の各勘定科目の借方合計と貸方合計は、貸借平均の原則により、仕訳帳から勘定への転記、そして各勘定から試算表への転記に誤りが無ければ必ず一致します。
取引を二面的に記載する複式簿記は、貸借平均の原則による記録・計算の検証機能を有しています。これは複式簿記の自己検証機能と言われ、複式簿記の特長となっています。