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簿記の本

勉強におすすめなのはどんな本?簿記の本の選び方や活用方法は?

簿記を学習するための本は、複数の会社から数多く出版されています。あまりに沢山の種類の本があるため、どれを選べば良いか分からないという人もいるのではないでしょうか。簿記の知識を効率的に習得するためには、重要な部分がしっかり学べる良質な本を選ぶことが大切です。そこで、ここでは、簿記の本の選び方や活用方法について説明していきます。

1. 簿記の本を選ぶときに押さえておきたいポイント

簿記の本を選ぶときは、中身を確認することが大切です。しかし、ただパラパラと眺めていても何がどう良いのかは分からないでしょう。そこで、ここでは、簿記の本を選ぶときに押さえておきたいポイントについて紹介していきます。

Ⅰ. 内容をイメージしやすい

簿記の本には、文字による説明・解説が中心の本もあれば、イラストや図表を多用した構成になっている本もあります。このうち、おすすめなのは、イラストを多く使用していて内容をイメージしやすい本のほうでしょう。というのも、これまでに経理などの実務経験がある人を除いては、生活していくうえで簿記を身近に感じることはほとんどありません。そのため、多くの人にとって、簿記の知識が実際に活用されているシーンを具体的に想像するのは難しいのです。そこで、初めて簿記に触れる人でも分かりやすいように配慮された構成になっている本を選んだほうが、スムーズに学習に入りやすくなります。
文字情報だけでは理解しづらいことも、イラストや図などがあれば助けとなり、効率的に学習を進めることが可能です。簿記の知識を活用するイメージがつかめ、内容を理解できれば、記憶にも残りやすくなります。学習内容が視覚的に整理され訴えかけてくるものであるほど、短期間で知識を定着させやすくなります。

Ⅱ. 最新版である

簿記を学ぶ本は、最新版であることも重要なポイントとなります。なぜなら、簿記の試験は、毎年ではありませんが、年によっては出題形式や出題範囲が変更されることがあるからです。自分が受ける試験に合った本を選ばなければ、出題形式や範囲から外れている内容を学ぶことになりかねません。また、試験の出題形式や内容に変更がないときでも、簿記の本は定期的に新しい内容に更新されています。最新版ほど精査された良質な内容となっているため、合格する可能性も高くなります。
リサイクルブック店やインターネットのフリーマーケットサイトなどで、古い簿記の本が安く売られているのを見たことがある人もいるでしょう。しかし、合格したいのであれば、できるだけ最新版を購入することが望ましいです。ただし、あまりに早い段階から試験勉強を始めた場合、受ける予定の試験に対応した本が書店にまだ出ていないことがありますので、注意が必要です。本の後ろのほうには、書名や著者名、出版年月日などが記された奥付があります。購入前に奥付で出版年度を確認することをおすすめします。

Ⅲ. 本番の問題を意識した内容になっている

試験本番の問題を意識した内容になっていることも、本を選ぶ際の重要なポイントとなります。なぜなら、本試験では覚えた知識がそのまま問われるような問題は少なく、取引の内容を読んで実際に簿記の知識に基づいて計算するといった問題が、数多く出されるからです。実践的な計算問題に正確に対応するためには、応用力が必要です。応用力は、基本から応用まで幅広く様々なパターンの問題を沢山こなすことで磨かれます。そのため、基本的な内容や練習問題が充実しているとともに、本試験で出題される問題も意識されていて本番で使えるテクニックが網羅されている本を選ぶことをおすすめします。
なお、問題に沢山触れても、解きっぱなしでは、力はつきません。基本問題だけではなく応用問題についても、解き方や考え方が分かりやすく、丁寧に解説されている本にすることが重要です。

2. 簿記の勉強における本のおすすめ活用法

良質な簿記の本が手元にあったとしても、うまく活かせなければ試験に合格するだけの実力をつけることは困難です。しかし、どうやって勉強すればいいかよくわからないという人もいるのではないでしょうか。そこで、ここでは、簿記を学ぶ際、本をどう活用すればいいかについて説明していきます。

Ⅰ. 基本的な内容を頭に入れる

簿記に限らず、資格試験に合格するためには、基本的な内容の理解が欠かせません。基礎があやふやな状態で学習を進めても十分な理解ができず、試験に対応できるだけの力を身につけることは困難です。そこで、基本を把握するために、まずはざっとテキストや本全体に目を通すことをおすすめします。このとき、用語や内容がよく分からなくても、読み進めて構いません。まずは「簿記とはこういうもので、こういったことをこれから学ぶ」という全体像をつかむことが大切です。最初に全体像をつかんでおくことで、学習を進めやすくなります。
テキストや本に目を通せたら、最初に戻り、単元ごとに基本的な内容について学んでいきます。専門的な用語が沢山出てきますので、正確に意味を覚え、書かれていることが確実に理解できるようにしましょう。基礎が理解できたら、練習問題を解いていきます。このとき、間違えた問題があればそのままにせず、解説を読んでどこでつまずいたのか、どう考えれば良かったのかを確かめることが大切です。理解していないポイントが分かれば、その単元まで戻って学び直しましょう。
これを繰り返し、基本的な問題のパターンを理解して解き方をしっかり把握します。基本の内容を確実に習得するため、テキストや本に載っている練習問題が全て解けるまで練習しましょう。苦手な問題があれば解いた日付を問題の横にメモしておき、日をおいて何度も解き直して確実に理解できるようにすることが大切です。

Ⅱ. 問題演習を繰り返し行う

テキストや本で基本的な内容を学習できたら、次に問題集に取り組み、様々なパターンの問題に触れましょう。テキストや本で基本的な学習は終わっていますので、まずは全ての問題を目標時間内に解くことをおすすめします。間違えた問題は日付を書き、チェックをつけておきましょう。そして、解説を読んでどうして間違えたのかを確かめます。これをするのは、間違えた原因によって対策が異なるからです。
例えば、用語の意味を覚えていなくて分からなかったケースと、問題は理解できたものの時間が足りなく解ききれなかったケースとでは、別の対策を取らなければいけません。用語が分からなかったテキストや本に立ち返って学習し直すことが必要ですし、時間が足りなかったのであれば、同じ傾向の問題を沢山解いて解答のスピードをアップさせることが必要です。
人によって間違いやすい問題、犯しやすいミスには傾向があります。たとえば、似た用語を混同しやすく間違えるという人もいれば、数字を写し間違えるといったケアレスミスばかりする人もいるでしょう。自分がどのようなミスをしやすいのかを把握して、注意しながら問題演習を行うことが必要です。
正解できなかった問題は、きちんと解けるようになるまで挑戦しましょう。一度正解した問題についても、より短時間で解答できるように練習を繰り返すと、より望ましいです。問題集がクリアできたら、過去問題集や予想問題集にも挑戦します。本番を意識し、難問は飛ばしてできる問題から取りかかるなど、順番も考えながら制限時間以内に解いていきましょう。

3. 本を活用して簿記の勉強をしよう

簿記を学ぶために本を買うときは、分かりやすく要点がまとめられ、実際の試験に役立つ内容が網羅されたものを選ぶことが大切です。また、できるだけ最新版を選ぶことが望ましいでしょう。短期間で効率的に簿記の学習を進めたいなら、予備校の簿記講座を受講することもおすすめの方法の一つです。自分に合った方法で学習し、資格取得を果たしましょう。

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