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センター簿記

センター簿記を解説!センター簿記のメリットと注意点を紹介!

大学入試の一環として行われるセンター試験には、実は受験の選択科目のなかに簿記があります。俗に「センター簿記」と呼ばれるセンター試験の簿記は、日商簿記検定試験とは出題傾向が異なります。それでは、センター簿記とは一体どのような試験なのでしょうか。ここでは、日商簿記検定試験とセンター簿記の違いを中心に、センター簿記のメリットや学習方法などについて紹介します。

1. センター簿記

大学への入学を目指す高校生や浪人生は、国公立大学と私立大学のどちらを受験するかに関わらず、まず「大学入試センター試験」を受験するのが一般的です。大学入試センター試験とは、一般的には「センター試験」と呼ばれ、毎年1月中旬に開催される大学受験の第一関門ともいうべき試験です。特に国公立大学を受験する場合は、必ずセンター試験を受験しなければなりません。一方、私立大学の中にも、入学試験の一環としてセンター試験を取り入れている大学は多く、センター試験は毎年50万人を超える人が受験する国内でも最大規模を誇る試験となっています。
センター試験には、国語・数学・理科・社会・外国語という基本科目があり、さらに分類された多数の教科の中から、自分が志望している大学の条件に合う教科を選んで受験します。
様々な教科が用意されているなか、簿記もセンター試験で受験できる教科のひとつです。センター簿記は「数学2」の中に設けられた教科のひとつで、「簿記・会計」という名称で表記されています。センター試験は、数ある教科の中から最大8教科を受けることができ、センター簿記も選択肢のひとつとして選ぶことができるようになっています。以前は商業高校などで簿記を履修した人のみ受験できましたが、現在では誰でも受験することが可能です。

2. センター簿記と日商簿記検定試験

センター簿記というのは、あくまでセンター試験に設けられている受験科目のひとつに過ぎません。簿記の資格取得を目指す人が受ける日商簿記検定試験とは、受験の意味や試験の出題傾向が大きく異なります。センター簿記は大学受験のために受けるものです。そのため、高得点を取ったからといって、簿記の資格を取得できるわけではありません。簿記の資格は、日商簿記検定試験を受験して、合格した人のみ取得することができます。資格取得を目指すなら、センター簿記ではなく日商簿記検定試験を受ける必要があります。

3. センター簿記を受けるメリット

大学受験にセンター試験が必要なら、選択科目に簿記・会計を選ぶことにはメリットがあります。例えば、数学が苦手な人や、理数系の科目で高得点を狙いたい人などです。
センター簿記は「数学2」(「数学II」「数学IIB」「簿記・会計」「情報関係基礎」)という科目の中に分類されている教科のひとつです。「数学2」の教科の中でも、実は「簿記・会計」という科目は勉強量が少なくても高得点が狙える科目だとされています。そのため、数学が苦手という人にとっては、受験しやすい科目なのです。
また、他の「数学2」の教科に比べて、簿記・会計は難易度が比較的低めという点も見逃せません。センター試験を利用した大学受験では、受験する大学に必要なセンター試験の全ての受験科目の合計点で合否が判断されます。そのため、難易度が低く高得点を取りやすい簿記・会計を受験科目に選べば、他の「数学2」の教科を選んだ人より合計点で上回れる可能性が高くなるのです。実際、簿記・会計の平均点は、他の「数学2」の教科よりおおむね高めに推移しており、高得点を狙いやすい教科だといえます。理数系の科目で高い得点を狙いたいなら、センター簿記を受けるメリットは大きいといえるでしょう。

4. センター簿記の受験上の注意点

センター簿記を受験するにあたっては、いくつか注意点があるのでしっかり確認しておきたいところです。まず、センター簿記は全ての大学で認められている受験科目というわけではありません。センター簿記を利用できる大学は、主に経済系や経営系の大学に限られています。他の文系大学・学部や、理数系の大学・学部では、受験科目に簿記・会計を選ぶことができない場合が多いため、センター簿記を受験する際は志望する大学や学科を確認することが必須です。
また、志望大学によっては、センター簿記の受験資格として高校での簿記の履修を条件としている場合もあります。ですから、そもそも簿記を受験科目に選択できるかどうかも合わせて、募集要項を確認するか、直接問い合わせるかして、受験する前にしっかり条件を確認しておきましょう。
それから、センター試験で受験できる教科は最大8種類までという点にも注意が必要です。特に簿記・会計が含まれる「数学2」の科目は、「数学II」「数学IIB」「簿記・会計」「情報関係基礎」の全ての教科が1つの時間帯で実施されます。したがって、受験できる「数学2」の科目もいずれかひとつだけです。数学IIBと簿記・会計を同時に受験するというようなことはできないので注意しましょう。

5. センター簿記の難易度と学習法

センター簿記は、他の「数学2」の科目と比べれば、そこまで難易度は高くありません。それでは、日商簿記検定試験と比べたときの難易度はどの程度なのでしょうか。以下、センター簿記の難易度や、受験に向けた学習方法などについて解説します。

Ⅰ. センター簿記のレベル

センター簿記は、日商簿記検定試験と比べても難易度は決して高くありません。日商簿記検定試験の等級で表すと、簿記3級と簿記2級の商業簿記を合わせた程度のレベルだといわれています。簿記3級は、簿記の基礎的な知識が身についているかどうか、2級の商業簿記は商業高校を卒業できる程度の知識が求められるレベルです。
ただし、センター簿記は日商簿記検定試験とは出題傾向が異なるため、一概に日商簿記検定試験より簡単だとは言い切れません。例えば、センター簿記は日商簿記検定試験とは異なり、全問マークシート方式による解答となります。そのため、マークシート方式の過去問対策が必須となり、対策していない場合は高得点を狙えないこともあります。
また、センター簿記では電卓を使用することはできません。日商簿記検定試験では電卓使用可であるため、この点も日商簿記検定試験との違いのひとつです。ただ、センター簿記の試験内容は、筆算でできる程度の計算が中心のため、電卓がなくても十分に解答することができるでしょう。

Ⅱ. センター簿記の学習方法

センター簿記を受験するなら、試験対策はしっかりやっておきたいところです。ただ、センター簿記は受験者数がそこまで多くないため、センター簿記向けのテキストや過去問などの書籍は市販されていません。ですから、試験対策をするにあたっては、まず市販されている日商簿記検定試験の3級と2級のテキストで基本の部分を学習していくと良いでしょう。
もちろん、日商簿記検定試験とは出題傾向が異なりますから、センター簿記の過去問に関してはなるべく確認しておきたいところです。もし、過去問を見たいなら、大学入試センターのホームページで直近3年分の問題と解答をダウンロードすることができます。過去問はセンター簿記で非常に役に立つので、高得点を狙うなら問題と解答をダウンロードして実際に解いてみましょう。
また、センター簿記と日商簿記検定試験では時間配分も異なります。日商簿記検定試験は、2級と3級で制限時間が2時間です。センター簿記では試験時間が1時間しかありませんから、過去問を解く際なども時間配分に注意しながら解答するように対策を取っておきましょう。

6. センター簿記で人生の幅を広げよう

センター簿記は受験しても簿記の資格を取得することはできません。しかし、数学の苦手な人や商業高校出身の人なら、センター試験の受験科目に簿記を選ぶことには大きなメリットがあります。簿記2級を目指す一環として学習すれば、センター簿記で高得点が狙えるだけではなく、簿記の資格取得にも役立ちます。資格は就職などにも有利に働くので、将来の可能性を広げるためにも、センター簿記の受験を考えてみましょう。

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