帳簿には、当期の取引と決算整理が記入されていますが、翌期に繰り越すために、帳簿の締切という作業がされます。帳簿の締切は、以下のような手順で行われます。
1. 収益・費用の損益勘定への振替
2. 当期純利益の資本金勘定への振替
3. 勘定の締切
4. 繰越試算表の作成
期首資本金は2,000円、期首現金は1,800円、期首売掛金は1,200円、期首買掛金は1,000円です。期中取引は次の通りです。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 600 | 売上 | 600 |
現金(資産)が600円増加し、売上(収益)が600円増加します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 400 | 売上 | 400 |
売掛金(資産)が400円増加し、売上(収益)が400円増加します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 300 | 現金 | 300 |
仕入(費用)が300円増加し、現金(資産)が300円減少します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 200 | 買掛金 | 200 |
仕入(費用)が200円増加し、買掛金(負債)が200円増加します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
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支払利息 | 30 | 現金 | 30 |
支払利息(費用)が30円増加し、現金(資産)が30円減少します。
収益・費用の勘定残高は、売上1,000、仕入500、支払利息30円です。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売上 | 1,000 | 損益 | 1,000 |
売上(収益)を1,000円減少させ、全額損益勘定に振り替えます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
損益 | 500 | 仕入 | 500 |
仕入(費用)を500円減少させ、全額損益勘定に振り替えます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
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損益 | 30 | 支払利息 | 30 |
支払利息(費用)を30円を減少させ、全額損益勘定に振り替えます。
当期純利益を資本金勘定に振り替えます。当期純利益の計算は次の通りです。売上1,000円-仕入500円-支払利息30円=当期純利益470円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
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損益 | 470 | 資本金 | 470 |
損益勘定の貸借差額470円を全額資本金に振り替えます。
翌期に繰り越す金額が正しいかどうかを確認するため、繰越試算表を作成します。
帳簿の締切には、大陸式と英米式があります。日商簿記3級では大陸式は、出題されないため説明を省きました。興味ある方は、日商簿記2級以降で勉強して下さい。