突合(とつごう)
突合(とつごう)とは、会計における監査技術の一つです。照合とも言われます。異なった種類の2以上の内部資料を照らし合わせて、事実や記録が一致しているかどうかを調べることです。証憑突合(しょうひょうとつごう)・帳簿突合(ちょうぼとつごう)・計算突合(けいさんとつごう)等があります。
証憑突合とは、証憑と会計帳簿を突き合わせることにより、取引の実在性及び帳簿記入の正確性を監査する技術です。証憑とは、見積書・領収書・注文書等の記帳の根拠となる資料のことです。帳簿突合とは、会計帳簿同士を突き合わせすることにより帳簿記入の正確性を監査する技術です。計算突合とは、会計帳簿上の数字と監査人の検算数値との突き合わせることにより、計算の正確性を監査する技術です。
突合は、会計数値の正否を確認することにより立証資料としての内部証拠を追求するだけでなく、帳簿記録と実際の残高の突き合わせも行います。
内部証拠とは、被監査会社の内部で集める監査証拠であり、外部証拠と対比されます。内部証拠を集める監査技術を一般監査技術と呼ぶ一方、外部証拠を集める監査技術を個別監査技術と呼びます。一般監査技術には、上記証憑突合・帳簿突合・計算突合だけでなく、勘定突合(かんじょうとつごう)・伝票突合(でんぴょうとつごう)などがあります。内部証拠は被監査会社内の文書であるため改変や偽造の可能性があり外部証拠よりも証拠力が弱い一方、一般監査技術は証憑・帳簿その他全ての会計記録に適用することができるため、個別監査技術の様に適用範囲が限定されないので、外部証拠よりも適合性が大きいと言えます。
会計監査において、公認会計士は、内部証拠による立証を基本としつつ、内部証拠の信頼性の限界を踏まえて、外部証拠により補強することによって、財務諸表全体に関する自己意見を形成するために必要な根拠である「合理的基礎」を形成します。
企業の経理部における経理実務では、証票等の入力すべきデータと会計ソフトに入力後印刷したデータを突合することにより、入力内容の正確性を確認します。
国語辞典では、突合は、「つきあわせ」と読むとされています。つまり、一般的には「つきあわせ」と読むところ、会計用語では「とつごう」と読むのです。英語では「checking」と言います。