日商簿記3級独学教室

小口現金・現金過不足

 小口現金

会社の支払いは、盗難防止等のため、通常、小切手や銀行振込で行います。しかし、切手代などの少額の支払いに小切手を振り出していては不便です。そこで、ある程度の少額の現金をあらかじめ用意しておき、少額の支払いを行います。
小口現金は、あらかじめ定額を係りに前渡しておきます。その後一定期間ごとに使った分だけを補給していきます。このシステムをインプレスト・システムといいます。

今月分の小口現金30,000円を小切手を振り出して小口係りに渡した。

小口現金（資産）が30,000円増加し、当座預金（資産）が30,000円減少します。

タクシー代10,000円と切手代400円を小口現金から支払った。

交通費（費用）が10,000円増加し、通信費（費用）が400円増加し、小口現金（資産）が10,400円減少します。

今月分の支払いについて小口係から報告があったので小切手を振り出して補給した。

小口現金（資産）が10,400円増加し、当座預金（資産）10,400円減少します。

 現金過不足

実際の現金有高と帳簿上の現金残高の違いを処理する勘定です。後日、違いの原因が判明した時に正しい勘定に振替えます。

実際の現金残高が200円だったが、現金の帳簿残高は300円だった。

現金（資産）を100円減少させて帳簿残高を実際の現金残高に一致させ、相手勘定に現金過不足100円を計上します。

帳簿残高が500円あったが、実際の現金残高は600円だった。

現金（資産）を100円増加させて帳簿残高を実際の現金残高に一致させ、相手勘定に現金過不足100円を計上します。

現金過不足80円（借方残高）の原因を調査したところ、切手代80円だと判明した。

通信費（費用）が80円増加し、相手勘定に現金過不足80円を計上します。

現金過不足50円（貸方残高）の原因を調査したところ、売掛金の回収50円だと判明した。

売掛金（資産）が50円減少し、相手勘定に現金過不足50円を計上します。

期末の決算時に現金過不足の借方残高20円を雑損失として処理した。

雑損失（費用）が20円増加し、相手勘定に現金過不足20円を計上します。

期末の決算時に現金過不足の貸方残高30円を雑収入として処理した。

雑収入（収益）が30円増加し、相手勘定に現金過不足30円を計上します。
雑収入（収益）の代わりに雑益（収益）で処理することもあります。